(※この記事は、2023年5月9日に更新されました。)
メール送信には、SMTPサーバーといわれるサーバーが必要不可欠です。
「SMTPサーバを構築する際のポイントは?」
「SMTPサーバってそもそも何?普通のサーバと何が違うの?」
日常生活ではメール送信の仕組みを意識することはありませんが、サービスやプロダクトの一部としてメール送受信を行う際にはメールを送信する仕組みや各サーバの役割をしっかりと理解する必要があります。
本記事では、メール送信に欠かせないSMTPサーバーとメール送信の仕組みについて解説しています。
SMTPサーバーの構築や導入を検討している方は、ぜひお読みください。
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SMTPサーバーはメールサーバの一つで、SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)と呼ばれるメール送信のためのプロトコルを使用するサーバです。
SMTPサーバーはメールアドレスの「@」以降のドメイン部分ごとに存在しています。
そのため、ビジネスメールなどで独自ドメインを使用したい場合はSMTPサーバーの導入が必要となります。
上記で説明したように、SMTPサーバは「メール送信専用のサーバ」です。
一方で、普通のサーバは、webサイト、データベース、ファイルストレージ、アプリケーションなど様々な目的で使用されるサーバのことを指します。
さらに、SMTPサーバはメール送信に特化しているためセキュリティ上の理由からSSL/TLSを使用することが推奨されています。
一方、普通のサーバは使用目的に応じて様々なポート番号を使用することが可能です。
メールソフトで確認する場合通常、SMTPサーバーの情報はメールのアカウント設定情報に含まれています。
アカウントの設定画面では、SMTPサーバの情報以外にもホスト名やポート番号、セキュリティ設定などを確認することができます。
さらに、メールプロバイダーも通常webサイトなどでSMTPサーバに関する情報を公開しています。
メールサービスのホームページやFAQなどを確認してみてください。
メールソフト(メールクライアント)でメールを送信してから受信者の元にメールが届くまでには、いくつかのサーバを経由します。
そのため、メール設定を行う際には、メール送受信に必要な情報を設定する必要があります。
以下でそれぞれのサーバの役割について解説します。
SMTPサーバーはメールの送信に使用します。
具体的には、送信者のメールソフト(メールクライアント)からメールを受け取り、そのメールを受信者のメールサーバまで配信します。
その際に、DNSサーバに対してIPアドレスの問い合わせも行っています。
DNS(Domain Name System)サーバは、メールアドレスのドメインから送信先のIPアドレスを割り出します。
また、パブリックなDNSサーバはインターネット上のどこからでも接続することが可能で、全世界で利用されるIPアドレスが他者のものと重複しないように管理する役割も持担っています。
POP(Post Office Protocol)サーバはメールの受信に使用します。
POPサーバでは、サーバに届いたメールを受信者のメールソフトに自動でダウンロードします。
メールソフトにダウンロードされた後は、サーバ上にメールが残らないため、メールサーバの容量を心配する必要がありません。
IMAPサーバ(Internet Message Access Protocol)もメールの受信に使用します。
POPサーバではメールは受信者の端末に保存されるのに対し、IMAPサーバでは受信者は端末にメールを保存せずサーバ上に保存されているメールを閲覧する形になります。
POPでは、一度受信したメールを他の端末から確認することはできないため、複数端末からメールを確認したい場合はIMAPサーバを用います。
メールを送信してから受信者に届くまでに必要なサーバを解説しました。
メールはそれらのサーバを組み合わせて、以下のように送信されます。
送信者がメーラでメールを作成し、送信ボタンを押下する
メールはSMTPを使用して、SMTPサーバーに届く
SMTPサーバーは「@」以降のドメイン名からIPアドレス割り出し、宛先メールサーバにメールを送信
宛先メールサーバから受信者のメールソフトにメールを送信する
この時、宛先メールサーバがPOPかIMAPかによって受信者のメールの保存先は異なります。
メールサーバを構築する際には、障害発生時にこれらのサーバのどこが問題になっているかを切り分ける必要があります。
メール送信の流れとそれぞれのサーバの役割を理解して環境構築を行いましょう。
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SMTPサーバー構築次第ではメールが届く前に迷惑メールとして破棄されてしまったり、そもそもやりたかったメールビジネスが実現できないなどの問題が発生します。
ここではSMTPサーバー構築時のポイントを解説します。
SMTPサーバーを構築する際には、まず送信したいメールの要件を整理します。
送信したいメールは大量に同時配信され多少の遅延が許容されるメールマガジンのようなものなのか、または利用者のトリガーによって配信するメールで遅延が許されないものなのかなどです。
特にメールマーケティングで顧客にメールを一斉配信するようなオペレーションが発生する際にはSMTPサーバーに高い負荷がかかるため、高負荷に耐えられるサーバ構成を行う必要があります。
送信したいメールの要件によって、用意するサーバのスペックを増やしたり、有償のライセンスを使用するなどの検討を行いましょう。
メール送信の流れで、SMTPサーバーがDNSサーバにIPアドレスを問い合わせていると説明しました。
この問い合わせはメールの送付先だけではなく、メール送信者のグローバルIPとホスト名についても、認証が行われています。
そのため、SMTPサーバー構築時には、ホスト名をDNSで公開しているホスト名と統一する必要があります。
ホスト名が一致していないと、グローバルIPとの紐付けができず「なりすまし」などの迷惑メールと判断されてしまいます。
時前にホスト名を決定しておき、設定時に統一されているようにしましょう。
SMTPサーバーはメールに特化した運用や設定をする必要があります。
メールサーバの特徴を理解せずに運用を続けていくと、受信者サーバから迷惑メールと判断されてしまいメールが受信者の元まで届かなくなってしまいます。
SMTPサーバ運用において注意するべきポイントをご紹介します。
ビジネスでメール送信を行う際には、IPレピュテーションの維持が最も重要になります。
信頼性が低いと判断されたIPアドレスから送られたメールは、受信者の元に届く前に迷惑メールとして振り分けられてしまうためです。
IPアドレスのIPレピュテーションを維持するために、以下の点に注意が必要です。
送信したメールが迷惑メールと判断されてしまうとSMTPサーバには受信サーバに送れなかったメールが蓄積され、高負荷状態になります。
高負荷状態が続くと通常のメール業務でも大幅な遅延が発生したり、予期せぬサーバ障害につながります。
SMTPサーバの運用時には、IPレピュテーションの維持管理を心がけましょう。
return-pathとは送信したメールがエラーになった場合の返送先のことです。
return-pathが正しく設定されていなかったり、return-pathで指定したアドレスが容量オーバーなどでエラーメールを受け取れない場合も、IPレピュテーションの低下を招くため注意が必要です。
また、送信したメールのエラーメールの件数が高い状態が続くと、迷惑メールを送信しているスパム業者であると認定され、ブラックリストに登録されてしまう可能性があります。
送信先のメーリングリストをこまめに棚卸しするとともに、return-pathを設定してエラーメールに適切に対応できるようにしておきましょう。
SMTPサーバの導入を検討する際に、オンプレミスで構築するかクラウドサービスを利用するかで悩まれる方も多いと思います。
ここでは、オンプレミスで構築する場合のメリットデメリットをご紹介します。
クラウドサービスを利用した場合は、メリットとデメリットが入れ替わると読み替えていただき、自社にはどちらが適しているかの比較検討を行いましょう。
1. 独自のセキュリティ要件がある場合は、それに応じたサーバ設計ができる
2. 自社独自のニーズに応じたカスタマイズやチューニングができ、自由度が高い
3. すでに採用しているシステムとの連携がしやすい
1. メールサーバ初期費用及び維持管理コストの負担が大きい
2. IPレピュテーションの管理や障害対応などか可能な人材が必要
3. メールサーバの容量やスペックは固定であり、高負荷状態でもスケールしない
ビジネスで利用するSMTPサーバの構築や維持管理には、膨大なコストと時間がかかります。
また、SMTPサーバが使用するグローバルIPのIPレピュテーションを適切に維持管理するには、特有の専門知識やノウハウが必要となります。
専門知識がなくても到達率の高いメールを送りたい場合には、SaaSなどのメール配信サービスを利用するのがおすすめです。
Mailer To Goというメールサービスを利用することで、herokuのアプリケーション内から独自のドメインを使用して到達率99%のトランザクションメールを送信することが可能になります。
Mailer To Goは、少ない管理コストで信頼性の高いメールを送信することが可能です。
これからビジネスで用いるメールサーバを検討されている方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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