(※この記事は、2023年6月21日に更新されました。)
「サブドメインを使ってメールアドレスを作成したい」
「いつサブドメインのメールアドレスを使うべき?」
「サブドメインとサブディレクトリの違いは?」
上記のような疑問をお持ちの方はいませんか?
本記事では、ドメインとは?サブドメインとは?サブドメインとサブディレクトリの違い、サブドメインメールアドレスを利用するべきケースについて解説しています。
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メールアドレスは、「ユーザ名」「@(アットマーク)」「ドメイン」という構造で成り立っています。
ユーザ名は、メール利用者が自由に設定することができますが、同一ドメイン内で同じユーザ名を設定することはできません。
ドメイン内で一意に設定されたユーザ名によって受信サーバー内の誰宛のメールかを特定しています。
また、メールアドレスに含まれる「@」はユーザ名とドメイン名の区切りを表現するために使用されています。
ここでは、メールの独自ドメインとサブドメインについて解説します。
ドメインとは、メールアドレスの「@」以降に記載される部分で、メールを受け取るメールサーバーを区別するための識別子です。
例えば、「abc@example.com」というメールアドレスでは「example.com」の部分がドメインとなります。
ドメインはインターネット上で一意であり、送信サーバーからメールが送信された際にドメイン名を元に受信するメールサーバーを特定します。
ドメインは必要に応じて取得することが可能で、企業や組織が独自に取得したドメインを「独自ドメイン」といいます。
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ドメインは、基本的に3つの要素に分けることができます。
トップレベルドメインとは、ドメインの一番右の要素です。
例としては、comやjpなどがあります。
トップレベルドメインには、国別コードトップレベルドメイン(country-code top-level domain, ccTLD)と汎用トップレベルドメイン(Gerneric top-level domain, gTLD)の2つの種類があります。
ccTLDの例:jp(日本向けサイト)、uk(イギリス向けサイト), us(アメリカ向けサイト)
gTLDの例:com(企業向けドメイン)、org(団体向けドメイン)、info(情報提供向けドメイン)
セカンドレベルドメインとは、トップレベルドメインの左隣にある要素で、組織を識別するために利用されます。
例は下記の通りです:
co(日本国内で登記をしている企業)、or(財団法人、医療法人、特定非営利活動法人などの団体)、ed(18歳未満対象の教育機関)、go(政府機関、独立行政法人等)、ne(ネットワークサービス提供者)
サードレベルドメインとは、ドメインの所有者が好きな文字列を自由に設定できるドメインの要素です。
独自ドメインを取得する場合は、このサードレベルドメインと他のドメインを組み合わせた独自のドメインの取得を指します。
基本的に、webサイトを説明するものやwebサイトの名前などをサードレベルドメイン名に設定します。
しかし、ドメインの取得にあたってすでにドメイン名が他の利用者によって取得されている場合は違う名前を選ぶ必要があります。
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まず、サブドメインとは、独自ドメインを細分化したものです。
サブドメインを指定する際には独自ドメインの前に任意の文字列を追加します。
例えばドメインが「example.com」の場合は、「sub.example.com」のようなサブドメインを作成することができます。
サブドメインを指定することで、特定の目的や組織ごとにアドレスを分割することが可能となります。
業務内容に応じてサブドメインを作成し、顧客対応用メールアドレスや社内連絡用のメールアドレスを分けて使用することができるので、業務の効率化が見込めます。
上で説明したようにサブドメインとは、独自ドメインを細分化したもので独自ドメインの前にピリオドで区切って好きな文字列を設定します。
一方でサブディレクトリとは、URLのパスの一部の階層構造のことです。一般的に、ドメイン名の後に「/」を挟んで区切られます。
例えば、example.jp/subdirectoryというURLの場合は、/subdirectoryがサブディレクトリになります。
一般的に、サブディレクトリはwebサイト内のページを追加するときに利用されます。
例えば、メインサイトのURLがexample.jp/である場合、
ランディングページのURLはexample.jp/lpのようにすることができます。
よくある質問のページを追加したい場合は、example.jp/faq
ブログページを追加したい場合は、example.jp/blog
のようにすることができます。
メリットは、URLを見てどんなページがあるのか理解できるのに加え、移動したいページのURLを記憶することで簡単に移動することができるという点です。
次に、Google Domainsでのサブドメインの設定方法を解説します。
まずは、ドメインを取得する必要があります。
ドメイン管理会社(ドメインレジストラ)より任意の文字列の独自ドメインを取得することができます。
ドメイン部分に使用したい文字がすでに使われていないか確認して、使われていない場合のみ取得することが可能です。
次に、メールサーバーをホスティングするためにレンタルサーバーを契約します。
サーバーとドメインの管理会社が同じ場合、簡単に紐付けを行うことができます。
なお、メールサーバーのセットアップ方法は、レンタルサーバーによって異なります。
次に、取得した独自ドメインの管理会社のページのコントロールパネルよりDNS設定をします。
メールサーバーの情報を使って、メールを受け取るためのレコード、MXレコードを設定しましょう。
ドメインを取得後、DNSサーバー(ネームサーバー)側で独自ドメインにサブドメインの文字列を追加します。
Google Domainsの場合、
1. Google Domainsを開く
2. My domains からサブドメインを追加したいドメインを選択する
3. 左のメニューバーからDNSを開く
4. カスタムレコードを選択する
5-1. タイプ=CNAME
5-2. サブドメイン名を入力(例:blog.example.jpの場合、blogのみ入力)
5-3. TTLは、3600のままにする(1時間という意味です。)
5-4. Data には、ドメイン管理会社のホスト名を入力する必要があります。
6. 入力内容を保存する
複数ドメインのメールアドレスを使い分消したい場合、独自ドメインを複数個取得することも可能です。
しかし、独自ドメインを複数取得してアドレスを使い分けるよりもサブドメインを利用した方がメリットが多いです。
ここでは、サブドメインを利用するメリットについて解説します。
独自ドメインを複数個取得すると、ドメインの費用と管理が必要になるため手間とコストがかかります。
サブドメインを使用することで、企業内での独自ドメインの管理が一本化されると、メールアドレスの管理が容易になります。
また、ドメイン取得にかかる費用も抑えることができます。
サブドメインは、組織や企業のブランド識別子として活用することができます。
企業が顧客サポート関連専用のメールアドレスを設けたい場合に全く新しいドメインのメールアドレスを利用すると、顧客から見て本当にその企業から送信されているメールかを判断することができません。
近年では個々人のメールセキュリティ意識も高まっているため、見覚えのないメールアドレスやドメインからのメール配信を行うことは、顧客の不信感につながります。
サブドメインに「@support.example.com」のようにつけることで、企業の一貫性を保ち、顧客からの信頼感を失うことなくコミュニケーションを取ることができます。
企業や団体で、顧客やユーザーにメールを送る機会がある場合は、サブドメインの利用を検討した方が良いです。
例えば、大量のメールマガジンを一斉送信し、多くのメールがスパム報告されてしまったり、メールへのエンゲージメントが低い場合、メーラーによって悪いIPアドレスのレピュテーションをつけられてしまいます。
IPレピュテーションが低下すると、メールの到達率に悪影響を及ぼすことになります。
しかし、サブドメインのメールアドレスを利用しているとメールの到達率が著しく低下した場合にも新しいサブドメインのメールアドレスに変更してメールを送り続けることができます。
おすすめ記事:IPレピュテーションの確認方法3選!メール到達率に及ぼす影響と改善方法を紹介
では、どのようなメールを送信する場合にサブドメインメールアドレスを利用するべきなのでしょうか?
以下は、サブドメインのメールアドレスを使うべきケースを3つご紹介しています:
参考:What Is an Email Subdomain and Why Should You Use One?
メールの受信者によってスパム報告をされる恐れのあるものは、サブドメインのメールアドレスを利用して送信することをお勧めします。
この場合、メールアドレス自体のIPレピュテーションが影響されずにメールマーケティングを行うことができます。
パートナーシップや営業のメールを送る際は、トランザクションメールに比べてメールへのエンゲージメントが低くなります。
そのため、サブドメインを利用してメールアドレスを分けることがお勧めです。
トランザクションメールは、メールの内容が受信者にとって重要であることが多いため(パスワードリセットや、登録完了、購入レシートなど)最も高いエンゲージメントを獲得できます。
同時にトランザクションメールはメールの受信者に必ず届く必要があります。
例えば、パスワードを変更しようとしたら、リセットメールがスパムメールボックスに入っていたらどうでしょうか?
そのため、トランザクションメールを送信するメールアドレスも高いレピュテーションを保護する目的でサブドメインを使用することがお勧めです。
おすすめ記事:トランザクションメールとは?到達率を高めるコツとマーケティングメールとの違い
サブドメインは、管理コストが低くブランドイメージの一貫性を保つことができるメリットがある一方で、デメリットも存在します。
ここでは、サブドメインを利用する際のデメリットを解説します。
SSLサーバー証明書は、安全な通信を確保するためのデジタル証明書で、ウェブサイトの身元を検証し、通信を暗号化します。
メール送信プロトコルであるSMTPとPOPの通信は、通常の設定では暗号化されていないため、第三者によるメールの盗聴などの被害が発生しやすい部分となっています。
その対策を行うために、SSLを導入してメールを暗号化します。
サブドメインを利用することで、独自ドメイン取得の費用がかからないというメリットはありますが、SSL サーバー証明書はドメインごとに用意する必要があるため費用がかかります。
サブドメインを利用する場合でも、完全に無料というわけではないことを覚えておきましょう。
複数のサブドメインを利用する場合、自社のドメインが不正に利用されていないかの監視を行う必要があります。
DNSサーバーの設定やセキュリティの管理などドメイン全体の管理が増加し手間や労力がかかることになる可能性があります。
次に、サブドメインを悪用した事例を紹介します。
ここでは、サブドメインを悪用された事例を2つご紹介いたします。
サブドメイン・テイクオーバー(Subdomain Takeover)とは、組織が使用していないものの、DNSレコードには登録されているサブドメインを悪意のある第三者が悪用することです。
悪意のある第三者はサブドメインの信頼性や権限を悪用し、フィッシング攻撃やマルウェアの配布など、さまざまな攻撃を行うことが可能になります。
サブドメイン・テイクオーバーを防ぐには、未使用のサブドメインの適切な管理と監視が重要です。
タイポスクワッティング(typosquatting) とは、ユーザーのURLやメールアドレスの入力ミスを狙ったサイバー攻撃です。
タイポスクワッティングは、入力ミスを意味する「タイポ(Typo)」と「占有する(Squatting)」から名付けられました。別名「URLハイジャッキング」とも呼ばれます。
メールでの悪用例としては、一見見分けがつかないような文字列のメールアドレスを取得して、なりすましなどに用いられるケースがあります。
サブドメインを使ってメールアドレスを作成することにたくさんのメリットがあることは事実ですが、一方でデメリットも存在し、悪用されてしまう事例もあります。
しかし、サブドメインはうまく活用することができれば非常に便利に運用することが可能です。
デメリットをあらかじめ把握しておくことで、必要な対策を講じることをお勧めします。
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